「売れ続ける店舗と売れない店舗の決定的な違いとは?」in大阪駅 講演レビュー

売れ続ける店舗と売れない店舗は何が違うのか?

大阪駅近辺のとある商業施設での店長向けセミナーが行われました。
受講生のほとんどが女性店長で100名(主にアパレル・雑貨)が集まりました。関西の商業施設はいつ伺っても元気でワークも盛り上がるからとても話しやすかったです。ご参加頂いた皆様ありがとうございます。

さて、本題にはいりますが私がこの店長セミナーで伝えたことは

 テーマ
店長の実力次第で売上が大きく変わる
集客は本部だけでなく店舗も担う必要がある
ブランドのファンから店舗スタッフのファンへ移行する
オンラインではなく実店舗にしか生み出せない価値
従業員が辞めない組織を作る「3Sコミュニケーション」

以上です。

今回のオーダーは「店長一人一人が自立して自分で売上を立てられるように教育してほしい」という目的でした。

店長が自分で売上を上げるためには主に二つのスキルをたかめなければいけませんj。

①セールススキル
②マネジメントスキル

です。

この二つのスキルを高めることで自立した店長を育てることができます。
売れる店長と売れない店長の一番の違いは考え方の違いです。

売れる店長も売れない店長も毎日働いていれば売れない日が必ずあります。
このときにどのように反応するかで未来の売上は決まります。
まさに、自立型店長なのか依存型店長なのかの違いとも言えます。

売れる店長(自立型)と売れない店長(依存型)の違い

さて先ほどお話したどう反応するかについてですが、売れる店長は「自責」物事をとらえ、売れない店長は「他責」で物事をとらえています。

売れる店長「今日売れなかったのは、店舗の外を歩いている人に対してキャッチできるような材料がなかったこと。よく考えたら今日から〇〇公園で◆◆ウィークのイベントがあったのを忘れてた・・・今年1年間の公園内のイベントを聞いてみることにしよう」(実際に店長は問い合わせをしてヒアリングしたところこれまで「なんか今日家族連れ多いね〜」と全く理由がわからなかったのが一気にわかり売上予測と販促案の準備ができるようになった)

と自分で原因を探して特定し、改善します。こうすることで売れない理由を一つ減らすことができるわけです。
これを繰り返し続けることで「売れない理由」がなくなり、売れる理由しか残らなくなる、という理屈です。

売れない店長「今日売れなかったのは仕方ない。本部も何も施策(セール)もしてくれないから・・・これでもがんばってるほうだよ。」と自分を慰め、売上が上がらないのは本部の責任にしています。本部の施策に依存仕切った仕事観だからこそいつまでも現場が改善されることなく運営し続けるのです。
これでは売れるものも売れません。店長のこの考え方の差・行動の差がチリツモで大きな成果の差へと広がっていくのです。

まずは、この前提どちらに該当するのか?を参加した店長全員に自己評価を促すように話をします。この前半の話がほぼ全店長が「ぐさっときた・・・」とアンケートに書かれていました。人や環境のせいにした方が楽なのはわかるのですが、残念ながら売れない理由を見つけて向き合わないと売上は1円も伸びないんですよね。

ではここからは、オーダーをいただいていた「店長一人一人が自立して自分で売上を立てられるように教育してほしい」にそって私がアレンジした講演内容についてお話します。

①店長の実力次第で売上が大きく変わる

これまでの店舗運営・経営というのは上記の図のように需要が爆発していたので、基本的に店舗に求められるのはミス・漏れ・無駄・無理がないように店舗経営をすることでした。お客様は次から次へと来店してくるので品切れを防いだりレジをとにかく早く通したりと忙しい毎日をすごしていました。
需要が爆発している時は、このようにオペレーション中心の店舗運営で良いので比較的楽です。このときに店舗管理という言葉が渥美先生のチェーンストアマネジメントが確立され馴染みの言葉になりましたよね。

1962年にペガサスクラブが創立してからもう60年です。私が語れるほどの実績はありませんが、店舗管理だけで店舗運営できる時代ではなくなったと感じています。理由は、ブランドが多様化したからです。需要が爆発して全国にチェーンストアマネジメントで展開をすることで標準化されたマネジメントは重宝されました。渥美先生の仕組みで日本全国の流通網が敷かれたと言っても良いと思います。

結果モノやサービスが溢れ顧客は膨大な選択肢から選びたい放題となりました。

これまでは「ここにしかない」「ここでしか買えない」と限られた供給先に購入者は従わなければいけませんでした。
私も幼少期は大きな衣料品も展開するスーパーマーケットに家族で行きました。今は、残念ながら20年以上いっていません。
なぜならユニクロもあれば、好きなノースフェイスも専門店があるからです。さらにオンラインショップも数えきれないほどあります。

これからはオペレーション型のビジネスモデルだけでは勝つのが難しいと私は感じています。

店長が来店する顧客の価値観を理解した上で店作りをしていく新たなマネジメントを確立しなければいけません。
これを当社ではクリエイティブ運営と呼んでいます。本部のマスマーケティング型の販売促進ではすぐに飽きられてしまい風景化してしまうので店舗で働くスタッフ一人一人の知恵を借りて店作りをしていくことが求められます。

当社クライアントも年商230億円ありながら毎年2億円の赤字を出していましたが、私がコンサルティングに入りオペレーションからクリエイティブに移行した結果、現場のコミットメントも強くたった2ヶ月で黒字化しました。新時代のマネジメントの幕開けの瞬間でした。

店長が主体となって来店する顧客を感動させる店内型販売促進が重要です。
肝となるのはアイデアなのですが、店長とスタッフとの関係性が何より大切です。(これは⑤で説明します)

②集客は本部だけでなく店舗も担う必要がある

集客もこれまでは本部がチラシを撒く、リスティング広告をしながら集客をしていました。
しかし、肝心の店内体験がずさんではリピート率は下がるし、成約率・客単価も下がります。

これまでは店舗の評判の拡散力は限定的でしたが、今は尋常じゃないほど早いスピードで広まるし、ネガティブな口コミは炎上の種となります。
評判がブラックボックスの内は新規集客し続けても口コミ拡散が限定的だったのでよかったのかもしれませんが、もう新規客を騙すことはできません。

なぜなら、食べログをはじめとした口コミサイトを情報をみてから来店する人が圧倒的に増えたからです。
最近めざましく伸びているのがGoogle口コミです。

まだ、こちらのリリースをご覧になってない方は一度読む手を止めてページを開いてみて下さい。

【第3回グルメサイト意識調査】加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」、飲食店で多数派

まさにこの記事にもある通り、Googleの信憑性が高いこともあり店舗選びの基準がますますGoogle口コミに傾倒してきました。
これまで口コミ集客とは無縁だった商業施設でも同様に口コミ投稿をしてもらうことが重要なところまで来ています。

商業施設の中には沢山の同業があります。
お客様は店舗を選ぶ際に、口コミをみてからいく人もどんどん増えています。
やはりスタートは飲食店から始まり、他の業種も同様に店選びの参考になっています。
「うちの業界はは口コミの影響は少なそう」と言っていたファッション系の店長がいたのですが、最近売上が低調だそうで口コミを一緒にみてみると、口コミ評価は非常に低かったです。「これでは選ばれませんね・・・」と伝えてまずは、評価を上げることからスタートすると宣言していました。

もう黙っていてもお客様がくる時代は終わりました。
働くスタッフ一人一人が高い接客力を駆使してお客様をファンにし口コミ投稿してもらいさらに新しい顧客が訪れる循環を作ることが大切です。

③ブランドのファンから店舗スタッフのファンへ移行する

これまではブランドにお客様が付くのが一般的でした。このため店舗はブランドを代表する販売員としてお客様の接客をします。
どの店舗でも同じ商品を扱っているので基本的にお客様は商品を購入しに来ています。
しかし、SNSが発展したことでずいぶんと来店理由も変わってきたなと実感しています。それは、店内のスタッフを指名することです。
まだまだ年代が限られていますが、今後幅広い年代層にこの現象は広まっていくだろうなと感じています。

現に当社クライアントのパートさんが出社する日は売上が他の日よりも高いです。
なぜなら、そのパートさんから商品を購入したいからです。その日の売上の平均客単価を上げる力があるってすごくないでしょうか。
特に商業施設の中でもファッション系の店舗はますますファン化が購買理由の中心になる日がくるでしょう。

「何を買うか」から「誰から買うか」に購買の意思決定がシフトしてきています。
私自身店頭に立って販売を一緒にして肌で感じていることなのでかなり確度は高い仮説だと思います。

④オンラインではなく実店舗にしか生み出せない価値

コロナになりすっかり自信を失ってしまった店頭も元気を取り戻すテーマですよね。
会場にいたとある店長の感想文にも「店舗の役割が見えなくて悩んでいましたが、店舗にしかできないことがわかったので明日からもがんばります!」と書いてくださいました。個人的に今回のセミナーで一番嬉しい感想文でしたね。なぜなら、考え方を変えられたからです。きっと彼女は実践してくれると信じています。

今回のセミナーで一番重要な話をこれからします!!!

④が最も重要で、店舗ビジネスの本当の価値について話しました。それは、欲しい商品やサービスを購入する場ではなくなった、ということです。
この本質に気づかない店舗はこれからどんどん閉店していかなくてはならないでしょう。間違いなくそうなります。なぜなら店舗で購入するよりもネットで買った方が安いし便利だからです。

欲しい商品やサービスを購入する上でもう店舗はオンラインに勝つことはほぼ不可能です。

店舗はショールーム化してオンラインショップで収益を上げるのか?
店舗で高付加価値な接客をして店舗を利用し続けてもらうのか?

のどちらかに店舗ビジネス経営者は舵を切る必要性が出てくるでしょう。

ここでお話したのは後者の場合です。
店舗を残し雇用を守る判断をする場合は店舗で働く一人一人も意識変革をしなければいけません。

その一つが「欲しい商品を右から左に売るな」という思想です。
欲しい商品はもう店頭で買ってもらえないと思う基準を持つことで、想定外(高付加価値)の接客販売をせざるを得ない環境を作ることができます。

私も過去に、店頭販売でパソコン購入いただいたお客様の商品をレジに持っていったら「成田さん、付属品は?」と聞かれて「何もつけずに販売しました・・・」と伝えると「介在価値は?」と聞かれ何も答えられませんでした。こういうことです。あなたやあなたの店舗の存在理由は何?安いから買ってもらえたというのはもう長続きしないので、明確な店舗で購入する価値をお客様が認知できる売場・接客を構築してくことが大切です。

⑤従業員が辞めない組織を作る「3Sコミュニケーション」

最後にマネジメントについてお話をしました。
他の業界と比べても店舗ビジネスで働く人の離職率は高いです。
入りやすく、辞めやすいと言われていますが、その通りの結果になっています。
ようやく入ってくれたアルバイトが1週間で辞める瞬間を目の当たりにすると天国と地獄を一気に行き来して絶望しますよね。

入社を決めてくれたアルバイト・パート・中途社員・新入社員が働きやすい環境を作りたいとおそらく全店長が思っているはずです。
しかし、結果的に早期で退職される理由はわかっていますか?と投げかけましたが、皆苦笑いしていました。

答えは、人間関係の不和です。これが退職理由の大部分を占めます。
そこで私は3つのSを前提にしたコミュニケーションを取るようにしましょうと提案しました。

それは、承認・尊重・賞賛です。
マズローの5段階欲求説でもありますが、承認欲求を満たすことです。
マズローの5段階欲求説の詳しい情報はこちらのリンクをクリックしてください。

ぜひご自身の店舗マネジメントにも取り入れていただき、強制・威圧はもう全くプラスに働かないのでいかに気持ちよく楽しく働ける環境を作ることができるか?にフォーカスを当てていきましょう。

そうすることでこれからの時代にぴったりな繁盛店を早期に作ることができるでしょう。
お客様にとっても働くスタッフにとってもなくてはならない店舗を作っていきましょう。

実現できるのは・・・店長、あなたです。

成田直人

追伸

ぜひ私の講演・セミナーを御社でも実施しませんか?
時間や予算などアレンジすることが可能ですので、まずは気軽に資料をダウンロードするか当社へお問合せください。

お待ちしております。

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