超高収益組織へ変貌した営業研修レポート

他社競争に敗れ売上激減の営業組織の意識変革のすべて

今日は、とある大手メーカーの営業研修事例についてお話をします。もともと花形部署で会社の売上のトップクラスの規模を誇っていました。
しかし、スタートアップをはじめ各社が市場に新商品・サービスを投下し一気にトップシェアの座をおろされました。5年前と聞いています。
「もう看板だけでは仕事が取れない・・・」と経営陣は課題感を感じ始め元々この企業で別の研修をやっていた私の白羽の矢が立ちました。正直、はじめは適任ではないと思いましたし、うまくいかないだろうなとは思いつつも懇願されたため引き受けました。私自身この会社へのイメージはとても良く素晴らしい営業組織なんだろうとイメージしながら営業研修のコンテンツを作っていたのですが、初回の研修で見積もりの甘さが出て全くうまくいかない結果となりました。と同時にだから結果が出ていないんだなという理解にもつながりました。

商品力が強すぎて営業部は営業をしていなかった

大手企業あるあるといえばあるあるなのですが、イノベーション発想が中小企業と比べると低いです。市場や顧客に目を向けるべきなのですが、自分自身の社内での立ち回りを気にすることも多く営業に本腰を入れられていない状況でした。さらに諸先輩方が築き上げてきた信頼・信用・ブランドを借りて営業活動をしている恩恵を自覚できておらず顧客維持は愚か失い続けることに慣れてしまっている状況でした。正直話を聞いていて「どうしたらここまで平気な顔をしていれられるんだ・・・」と思いました。いわゆる大企業病とはこういうことなのかもしれません。ブランドと独自の商品が強みで市場開拓しリーディングカンパニーまで上り詰めてから数十年、今ではまだ利益が出ている花形商品力に依存しながら徐々に衰退しているような状況で側から見て危機的状況だったのは間違いありません。これまで店舗ビジネス向けの事業再生案件を沢山受けてきましたが、大手メーカーでも似たような状況になるのだと驚きました。そして、いよいよ限られた回数による営業研修が始まりました。

今回提案した4回の営業研修カリキュラム案

テーマ
第一回「売れ続ける人と売れない人の決定的な違いとは?」
第二回「失注率を下げるストレスフリー商談術」
第三回「客単価・成約率・顧客満足度を2倍に引き上げるイメージングセールス術(座学)
第四回「客単価・成約率・顧客満足度を2倍に引き上げるイメージングセールス術(実践)

詳しい内容はここでは書ききれませんが、既存のマーケットでの成約率改善に重きを置いた営業研修にいたしました。
当然ながら、私はこの企業の営業スタイルを100%理解できていません。それでも同社の研修を引き受けてきた背景もありこのようなコンテンツ配置にさせていただきました。結果・・・大当たりでした。

課題は、営業不振の根幹となる「営業マインド」にあった

私の企業向け研修やコンサルティングでは必ずマインドについて触れます。結果を出すためには、結果が出る考え方を身に付けなければいけません
どれだけセールスのノウハウを伝授したところで受講生が変わりたい!もっと売れるようになりたい!もっと顧客に貢献したい!という意欲がない限り意味がありません。行きたくない塾に無理やり行かされる感覚ですね、これでは成績伸びないじゃないですか。同じです。
これが組織全体に蔓延しているのだから事態は深刻です、しかし組織の当事者は井の中の蛙です。むしろ異分子である私の話を拒絶するようなリアクションすら感じました。それでも引き受けた仕事ですから自身の力を最大限振り絞って立ち向かうしかない、そんな状況でした。私はこの営業部に4回の研修で求めたことは2つです。

①営業プロセスをアップデートすること
②営業スキルを向上する自学自習の習慣を身につけること

この二つです。

①営業プロセスのアップデート

それでは早速営業研修の意図と研修内容についてお話します。これは大手メーカーだけに限った話ではなく、中小企業でもあり得る話だと思っています。それは、営業プロセスが10年以上変わっていない、ということです。コロナになり「オンライン商談が増えた」も一つのアップデートなのですが、営業プロセスは基本的に変わっていないところが多いです。対面でもオンラインでも同じことをやっていればそれはアップデートとは言いきれません。
私は、対面研修からオンライン研修が増え正直大変でした。最初は対面で伝わっていたことが伝わらなくて「えっどうしよう・・・」と戸惑ったくらいです。そこで試行錯誤してオンライン研修では受講生の理解度や温度感がわからないためモニターに映す資料を増やして丁寧に研修を進めたところ受講生満足度も売上成果も爆伸びしました。時間をかけて今までのやり方を否定して新たな研修スタイルを確立しました。これも一つのアップデートでしょう。要は過去の自分やこれまでの売り方を否定することでアップデートは生まれます

先に挙げたマインドが変わらなければ「今までの売り方でいいでしょ、ギリギリでも利益出てるんだし・・・」というのが関の山でしょう。だから、「今すぐに変わらなければいけないんだ!」という気持ちになっていただき、ともなったチャレンジと失敗と改善をしていく必要があるのです。これまでの営業パターンを見直し、どこに失注ポイントがあるのかを特定、新たなプロセスもしくは失注を逃れるセールストークを盛り込むなど丁寧にセールスデザインを作り込んでいきました。この甲斐あって3月の研修後の報告会ですでに結果が出た、とフィードバックをいただきました。私が得意とする「営業で断られない技術」を完全盛り込んだデザインならではの結果です。

余談ですが、大手企業やルート営業中心の企業で客単価や成約率を上げたい!というニーズに私のセールスデザインは威力を発揮します。既存顧客だけで営業成績を上げLTVを上げたい!という企業様はぜひ当社にお問合せください。間違いなく力になれます。大手メーカーでも証明されているわけですから間違いないです。具体的にどんな取り組みをしたのかというと、過去の営業スタイルは「需要>供給」のため基本的には説明や提案中心になります。この時期の営業は相手のニーズを広げるよりも、「うちはこんな商品を提案できますが、御社の課題にフィットしますか?」とニーズ喚起よりも提案中心でした。

しかし、今は「需要<供給」です。顧客は選びたい放題で相見積もりを取り最安値で契約することができます。
これまでは言い値(高値)で契約できていたのに徐々に単価が下がってきた、という課題感を持つ企業の要因はここにあります。
時代にあっていないのです、営業スタイル(プロセス)自体が。ヒアリングを強化し、顧客の課題を明確にするのは当たり前で顧客側に立って意思決定できるほど情報収集とニーズ喚起を行い憑依できるレベルまで掘り下げる質問力が求められます。今後の法人営業ではこのスキルがないと致命的です。なぜなら、顧客の要望に応えるだけでは最安値で契約され価格競争に陥るからです、これはおすすめできません。薄利多売を法人営業でやるのであれば営業部は要りませんから。

顧客に憑依するレベルまで真から理解するからこそ見える課題や見落としているリスクを把握するのがプロ営業です。
顧客が気づいていないことに気づくことにこそ価値があります。逆にいうと顧客の方が情報量も課題認識が高い場合は営業は存在価値がありません。提案型からヒアリング型へセールスを移行するとともに、顧客が商談中・前後にストレスを抱えることなく信頼関係・信用を確実に積み上げるコミュニケーションを設計し高い成約率と客単価を実現します。

この一連の流れをセールスデザインと呼んでいます。今回のように期末に向けて達成しなければいけない目標数値がある場合など短期間で結果を出すのに最適なプランです。

②営業スキルを向上する自学自習の習慣を身につけること

営業研修は終わっても営業部の営業活動は続きます。そのために自走できる状態は難しくても自走するためのフレームはしっかりと作り込んで終わらなければプロ研修講師ではないと思っています。そのため自学自習の習慣を身につけて本研修期間でアップデートしたセールスデザインを強化、さらには自分のものにできるだけのスキル習得習慣を身につける指導をしました。特にヒアリング力が鍵となるためおすすめの書籍やイメージングセールス(私が開発した高成約率を実現するセールスプロセス)のロールプレイング技法などを伝授しました。どれだけできているかは見届けることはできませんでしたが、先に挙げた成果が期末に出たためおそらく成功体験と共に本腰入れて受講生も取り組んでくれることを期待しています。

成熟した組織や会社でもアップデートは必要

もはや大手企業だから安泰というのは過去の話です。今は大手企業の特権だった官公庁の仕事だってスタートアップ企業が襲い掛かる時代です。物事は「過去の実績」だけで動かないということを示しています。そういう意味ではどの企業にもチャンスが訪れた!ということにもなります。私は、大中小様々な企業を見てきましたが、全企業はコロコロ変わる市場環境に合わせてアップデートを重ねていく必要があると思います。
その上で邪魔になるのは過去の成功体験と変わりたくないと無意識で心が動く組織文化と個人の思考習慣です。私の友人で接客コンテスト優勝した飲食店経営者は常々「現状維持は緩やかな衰退」と言っています。名言ですよね。BtoCだけでなくBtoBでさえ契約意思決定プロセスが変わりつつありますよね。ライバルを始め市場環境も変わり続けいています。この中で生き残っていくためにはつねに顧客の想像を超える提案をし想像以上の結果を出すことに他なりません。営業がゴールではないし、納品がゴールでもありません。需要よりも供給が優っているからこそ戦い方を見直すタイミングにきていたのが本事例です。

いかがでしたでしょうか。

御社の事業発展や営業改革の一助になったら嬉しいです。
営業研修をはじめ業績アップに向けた依頼はいつでもお待ちしております。

ジャパンブルーコンサルティング株式会社
代表取締役 成田 直人

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